青山学院大学文学部 比較芸術学科

青山学院大学文学部 比較芸術学科

インタビュー

学生4人にインタビュー

[参加メンバー]
司会 : 佐藤かつら(本学科教授、日本芸能史)
※写真上段左から
【演劇映像】西洋演劇専攻(佐久間ゼミ) 3年 宮腰大地
【音  楽】西洋音楽専攻(広瀬〔佐藤望〕ゼミ) 3年 後藤優悟
※写真下段左から
【美  術】日本・東洋美術専攻(出光ゼミ) 3年 田中優羽
【演劇映像】映画研究専攻(三浦ゼミ) 3年 山岡すず花


比較芸術学科を選んだ理由
佐藤
今日は、比較芸術学科を志望する方たちに向けて、在学生のみなさんがどういう動機で入学したか、また、今どういうことを学んでいるかなどを自由にお話してもらいます。まず、なぜ比較芸術学科に入りたいと思ったのか教えて下さい。
田中
大学では好きなことを学びたいと考えていたんですけれども、これまでクラシックバレエとバイオリンと茶道の経験があって、ここに入ればそれがすべて活かせるんじゃないかなと思ったのがきっかけです。

後藤
小さい頃からピアノを、中高の時は部活でオーケストラをやっていて、それでいろんなことを調べ始めて、音楽って面白いなと思い調べ続けました。進路を迷った時期もありましたが、高3の8月くらいに決めました。僕の場合実技をやりたいわけでもないし、消えた作曲家などを調べるのに興味があり、文化や時代背景も一緒に学べるところが一番いいと思って選びました。
山岡
私の実家は京都で創業以来300年続いている扇子屋さんです。海外の文化にもとても興味があって今まで19ヶ国に行きました。高校2年生の時にはオランダに留学に行き、日本の文化について発表もしたのですが、まだまだ日本について知られていないと実感しました。自分の家業を中心に日本のものづくりや伝統を広めたいなと思いました。それでどういう方法があるのか知りたいし、自分のセンスも磨きたい、文化も学びながら自分の視野を広げていきたいなと思って、いろんなことが学べる学科を志望しました。
宮腰
きっかけは演劇と音楽です。地方都市出身なのですが、たまたまある劇団の地方巡業でミュージカル『クレイジー・フォー・ユー』を観た時、「どうして自分はこんなに感動したのだろう」と思ったのです。それと中高で合唱部に所属していたのですが、高校の合唱部は音楽専門の先生がおらず、自分たちで活動しなくてはいけませんでした。もちろん技術的に優れた演奏を目指して合唱をやっていくことも素晴らしいと思ったのですが、僕はそれ以上に作品が「良い作品だな」「心に響くな」と思ったその理由を知りたくて、言葉と音楽の関係に何かヒントがあるんじゃないかと思って、作品背景とか詩の技法とか歌詞、旋律の動き方などを自分なりの方法で分析していました。その作業をしている時間がとても楽しくてドキドキして、その後、言葉と音楽の関係から、より直接的に言葉で訴えかけるミュージカルやオペラ、そしてシェイクスピアに出会い、英詩のリズムに興味がわいて、西洋演劇を学んでいます。

学科での学び
佐藤
みなさんそれぞれに、さまざまなことが学べる魅力にひかれて入学したようですが、実際に学科での学びはどうですか。
田中
比較芸術学科という名前の通り、色々なジャンルや洋の東西を比較して学ぶことで、一つの枠に捉われず自分の視点が広がったような気がします。一年次、最初に比較芸術学入門の授業で様々なジャンルの先生が順番にレポートを課しますが、今まで知らなかった分野を知ることで、ジャンルごとの関わり合いにも興味が広がり、最終的に日本美術に進むという選択ができました。
後藤
自分が触れていなかったことに対してきちんと取り組める授業があったのが良かったです。演劇は中高の時はあまり関係ないと思っていましたが、佐久間先生の特講で、前期『マクベス』、後期『かもめ』を観て、ちゃんと基礎から知ると面白くなりました。自分が専攻している音楽分野では、自分では読むことのないネウマ譜(五線譜以前の記譜法)の解読の授業などがあります。東洋音楽などいろいろな専門の先生がいらっしゃるので、自分の専門と意外なところで繋がったりするのが楽しいですよ。
山岡
学科に入った時に先生方の紹介があって皆すごく個性派だと思いました。一つ一つの分野の先生が深い愛をもって、いろんな知識や視野を持っている。歌舞伎俳優の方や、新劇の俳優さんなど、普段絶対出会えない人に質問できたりして、いろいろ刺激になりました。私はもともと絵を描いていましたが、髙橋先生の美術の授業は、独学では学べない絵のポイントや、絵画の意味、絵画の中の絵画の意味、その色彩などを知ることができました。国ごとに比較して観ることで、共通点や、当時の国と国の文化の融合を感じたりします。昔と今の違いを比較する観点も身に付きました。
 いま三浦ゼミに所属していますが、自分たちで「驚き」をテーマに映画を作るという三浦先生の授業があって、私は監督をしたんですけれど、どのアングルからとかどういう構成でとか一から考えてやってみるという機会はなかなかないので刺激的でした。普段は鑑賞する側だったけれど、制作する側の立場に立ってみて、ようやくその難しさとか奥深さを知ることができたのはとても良い学びでした。
 最初にたくさんの知識を与えられて、その上で自分の好きなものやいままで知らなかったこだわりなど、自分の感性を発見する機会がありました。
宮腰
学科の特色として五感を総動員して学ぶというものがありますが、「芸術鑑賞の方法」という授業は座学ではなく、自分たちが実践することで新しい角度から学ぶことができます。たとえば演劇であれば、広瀬彩先生のワークショップでは、実際に演じる側や演出側としての戯曲の読み方を教えてくださいました。座学では絶対獲得できない角度からの読み方だったので、それは特講やゼミ(佐久間先生)での勉強に生かされていて、とても良い学びだと思うし刺激的な内容だったと思います。


将来やりたいこと
佐藤
将来はどういう進路を考えていますか。
田中
現代社会と古典の美術について、どう関わっていくべきかということをもう少し追求したいなと考えています。あまり知られていない魅力を発信していくことに携われたらいいなと思っています。
後藤
「その時その時でできるだけのことをやって、その時開けた道に行く」という答えしか出していないんです。研究するのであれば大学院に行って、研究職という方向も考えるし、就職するのであっても、何かしら音楽や、諸芸術に関われる職業が良いなと思っています。
山岡
大学に入る前は実家の扇子を使って日本の伝統文化を広めていきたいと思っていました。それは今も変わっていないのですが、三浦先生の授業をとってから、これからの社会における「映像」に大きな可能性を感じたんですね。日本のものづくりや美術、能、歌舞伎などの日本の伝統文化を、映像を使って広めていきたいと思っていて、映像制作会社など映像に携われるような仕事をしたいです。映画は文化の融合というか、音楽や美術や、いろいろなものを集めて作っていて、本当に面白いなと思っています。
宮腰
自分の専門分野を納得のいくまで探求していきたいなと思っているので大学院ももちろん考えていますが、視野を狭めるのは良くないとも思っているので、常にいろんな可能性を考えながら将来の選択をしていこうかなと思っています。

受験生へのメッセージ
佐藤
最後に、この学科を志望する人へのメッセージをお願いします。
田中
この学科で学ぶことは、最初はなにか「それ」が好きという気持ちがあって、それがなんでだろうって考えるところからはじまる勉強だと思います。学科が小規模で少人数で、立地の条件も整っているので、芸術を学ぶのに適した環境です。常に好きなことに没頭できる、充実した日々が送れる場所だと思っています。
後藤
僕の場合この学科を知ったのも高3の夏だし、好きなことだけひたすら調べてここに入りました。本当に好きなことをやっていって、最終的に自分が好きな道に進めばいいと思います。受験については自分を変えずにそんな焦らないで、本当に好きなことをやりたいという気持ちを貫いて、ここに入ってきてもらえればと思います。
山岡
私はすごい好きというものがはじめはなかったんです。芸術が全般的に好きでこの学科に入ってみて、先生方の個性豊かな面白い授業っていうのは大きなアピールポイントだなと思います。毎回楽しいんですよね。私は能は寝ちゃうんだろうなとか思ってたら毎回すごく面白くて、「能もいいなぁ!」みたいな。演劇の講義も面白くて、ゼミ選択でも悩みました。入る前は特別好きなものがなくても、芸術が好きであったり、将来何に就いたらいいんだろうと考えている人にとっても、良い学科だと思っています。
後藤
選択の余地もあるしね。
山岡
自分の「やるぞ!」ってやる気や探究心があったら、いろんな先生の面白い授業を受けて自分なりの新しい発見をできるし、私は実際気付くことができました。これからどんな仕事をしても、自分なりの感性とかこだわりとか、広い視野で見るとか基本的な知識とかは、どんなことにも繋がると思います。
宮腰
受験勉強はつらいと思いますが、受験勉強で養う知識、たとえば英語の単語とか歴史とか、あと論理的な思考能力は、大学の勉強でも確実に役立ってくると思うので、粘り強く頑張ってほしいなと思います。あとモチベーションを維持する方法として、自分の好きな作品を一つ、受験勉強の合間に見たり、ちょっと調べたりするといいと思います。
佐藤
これから入学を考える方たちに対してとても熱いメッセージをもらえました。本日はみなさんどうもありがとうございました。